8日目その3
午後はEndodontics(歯内療法学)の実習でした。
この実習では患者の治療は行わず、ファントムモデルによる模型実習です。
Danという学生と仲良くなったため、彼の実習を見学することにしました。
左上6人工歯の歯内療法です。
こっちの実習ではまず最初にファントム模型のX線写真を撮影して、根管の形態を確認してから削り始めます。
実習はstudent clinicのユニットを使用して行われますが、同じ診療室内にデンタル撮影ができるX線撮影室があるので、いつでも気軽に撮影して進捗状況を確認することができます。
そしてもう一つ気づいたことが。
ここではラバーダム装着時にヤングのフレームを使用せず、プラスチックのかっこいいフレームを使います。
↑これが
↑こうなる。
ラバーダム装着、消毒を済ませた後髄腔開拡に入ります。
髄腔開拡の後、DanはMB根の根管口を発見できたものの、DB根とP根を見つけられず私に助けを求めてきました。
メモ帳に図を書いて、根の方向を思い浮かべて3次元的な位置関係を把握するようにアドバイスしましたが、ピンと来ない様子。
終いには日本の技術が見たいなどと言い始め、代わりに開けてくれと頼んできました。
実際の患者ではないし問題ないだろうと誘いに乗ってみましたが、実は内心ちょっと不安でした。
外来を離れて3ヶ月、もしかしたら手技を忘れているんじゃないかと心配するには十分な期間です。
しかしそんな不安を悟られないよう振舞いながら、根管口の探索を始めました。
mutans「根の形と位置関係はイメージできるよね?闇雲に掘るんじゃなくて正しい方向を考えてやらなきゃいけないよ」
Dan「ふむふむ」
mutans「例えばDB根は頬側に向かうと同時に遠心にも傾斜しているから、近心舌側から覗いてみると見つけやすいはずだよ」
Dan「なるほどね」
mutans「この角度でこの辺を削ってみると…ほらMB根発見」
Dan「ワオ!!」
mutans「P根は横でアドバイスするから挑戦してみて」
Dan「No!Japanese techniqueで終わらせちゃって!」
mutans「楽しいからいいけど実習的に問題ないのかなぁ。まぁやってみるよ。P根は口蓋側に向かってるから、頬側からやや遠心に向かって探索すれば…ほら見つけた」
Dan「すごく早いな!マジ感謝!あのままじゃ先に進めなかったよ」
という感じで一丁前に指導しながら無事根管へのアクセスに成功。
ちょっとだけドヤ顔になっていたかもしれませんが、内心はヒヤヒヤでした。
その後は根管の長さを測って、X線で確認して、抜髄を想定した根管形成をやって終わりでした。
正直恥かかずに済んで良かったなと思います。
放課後はIKEAへ行ってミートボールを食べました。
美味しかったので冷凍ミートボールを1kgも買ってしまいました。
ちゃんと全部食べきれるかな?
9日目へ続く